2008年10月01日

レッド・プラネット(2000)

 オーツが見た映画です。SF映画で、かつ宇宙ものということで、オーツが大好きなジャンルです。
 2050 年に、火星に藻を送って酸素を生み出し、人類が移住する計画があったのに、それに異常が起こったため、数人で火星に調査に行くという宇宙旅行の話です。
 全体になかなかリアルに描いています。無重力空間での火災や、火星への着陸シーンなど、たいへん興味深く描かれ、科学的考証もきちんと行っているほうでしょう。
 しかし、荒唐無稽な面がないとはいえません。

(1)火星に酸素があるという設定になっています。
 いくら火星で酸素を人工的に作り出したとしても、火星がそれを保持できるはずはありません。今の火星の大気が薄くなっているのは、物理的・歴史的な必然性があるわけで、それをそのままにして酸素を作り出しても、宇宙空間に飛び散っていくだけです。

(2)人間を食べる「虫」がいます。
 ストーリーをおもしろくするために導入したのでしょうが、火星で初めて人間の血液を飲み、人間を攻撃してくる虫がいるとは思えません。人間が「食べられる」ものだとは知らないはずですし、実際、別の惑星で繁殖した生命は、お互いがお互いを食べる(体内で消化する)ことはできないと考えられます。食べられなければ、攻撃する理由もなくなります。

(3)30年前の宇宙船が動き出します。
 ロシアの宇宙船で、火星に30年前に放置されていたものを使って宇宙空間に飛び出すのですが、あれだけ壊れた宇宙船が、また使えるようになるなんて、信じがたい話です。宇宙船が火星の地上に放置されている間に、嵐が来たり、気温の極端な上下があったり、宇宙線にさらされたりしますから、機械類は確実に機能しなくなるでしょう。宇宙船は精密機械であり、宇宙飛行がそんなに簡単にできるはずはありません。

(4)宇宙船を手で捕まえます。
 近づいてくる宇宙船を捕まえるのに、女性飛行士が宇宙服を着けて船外に飛び出していき、手で捕まえます。こんなことは不可能です。宇宙船のスピードは相当なものですから、人間が接触したら大けがします。宇宙空間でドッキングするためには、両者の移動方向と移動スピードが同じになるようにしなければなりません。現実にはこのあたりの調整が一番むずかしいところで、3次元空間内で(惑星の周回軌道に乗っているときに)相手に近づくには、かなり時間と手間がかかるものです。

(5)エイミーというロボット犬が敵になって人間を攻撃してきます。
 いくら軍事ロボットでも、同僚(味方)の人間を簡単に襲うなんて信じがたい行動です。そうならないように、敵と味方の識別機能(および味方を攻撃しない原則)を、あらかじめプログラムとしてロボットに組み込んでおくべきです。

 まあ、SFの宇宙ものという映画は、大なり小なり突っ込みどころがあるものです。それがないと、逆におもしろくなくなってしまうようです。たとえば、「アポロ13」などは、リアルもリアル、SFXを使って、まるで実際に本物の宇宙船を映したみたいにリアルですが、しかし、ストーリーとしては意外と地味になっていました。
 映画はおもしろくなければなりません。その点では、この映画は合格点だと思います。エイミーの話が全部カットされている方が(単なるアクションにならずに)よかったのではないでしょうか。




posted by オーツ at 05:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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