2020年05月28日

峯村健司(2019.9.30)『潜入中国』(朝日新書)朝日新聞出版

 オーツが読んだ本です。「厳戒現場に迫った特派員の2000日」という副題がついています。
 著者は朝日新聞国際報道部の記者です。中国の特派員として長年活動してきました。中国語が達者なようで、本書で扱われる話題も大半が中国です。中国の中でも特に中国軍の話がメインになっています。本書のタイトルは「潜入中国」ですが、「潜入中国軍」でもよかったかもしれません。
 記者といえど、軍隊の中を探るのは容易ではありません。スパイと見なされれば、すぐに逮捕され、場合によっては懲役刑、さらには死刑になるかもしれません。そういう危ない橋を渡りながら、中国軍の真実を追い求めています。ジャーナリストとして意義のある活動だと思います。しかし、やはり「取材」を通してしか中国軍の中はのぞけないわけで、その意味では限界があるのも事実です。
 本書の最後には、「最後の中国特派員になるかもしれない」とあります。つまり、これからはこのような取材はできず、中国の中がだんだん見えにくくなっていることを述べています。軍隊の場合は全部をガラス張りにはできないのもわかりますが、そういう何だかわからない軍隊が日本のそばにあるということは、日本人にとっては不安の種です。中国軍は、中国という国の軍隊ではなく、共産党の軍隊ですから、共産党支配が終わらない限り、中国軍がずっと残ることになりそうです。
 本書を読んで、中国軍の実態の一部が垣間見えたような気がしました。
 本書の目次は以下のようなものです。

序 章 異形の超大国は何を目指しているのか〜現場から見た急速な近代化の足元
第1章 中国軍の強さともろさ〜新型ステルス戦闘機の実力
第2章 サイバー空間を占拠せよ〜戦力と戦略の実態
第3章 宇宙開発への野望
第4章 世界最大規模のスパイ活動
第5章 中国、海軍大国への胎動〜ルポ「空母建造」の現場潜入
第6章 国境から見た北朝鮮〜「血の同盟」の実態
第7章 組織で見る中国軍の実像
終 章 最後の中国特派員になるかもしれない〜縦横無尽に取材のできた時代

参考記事:
https://diamond.jp/articles/-/219207


posted by オーツ at 04:25| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする