2020年03月29日

渡辺惣樹(2018.6.20)『第二次世界大戦 アメリカの敗北』(文春新書)文藝春秋

 オーツが読んだ本です。「米国を操ったソビエトスパイ」という副題が付いています。
 タイトルにもあるように、第二次世界大戦を中心としたアメリカ史を扱っています。そして「アメリカの敗北」とあります。アメリカは戦勝国ですから、このタイトルには「ん?」となる人がいるでしょう。副題がその意味を語っています。この時期のアメリカの政権中枢にはソビエトのスパイが入り込んでおり、アメリカの政策決定に大きな影響を与えていたというのですから、まさにビックリの近現代史です。
 本書では、とりわけ重要なスパイとして、ハリー・デキスター・ホワイトとアルジャー・ヒスの二人を取り上げます。彼らがスパイであったことは秘密にされてきましたが、1995 年に公開されたヴェノナ文書で明らかにされました。つまり、本書の記述はフィクションではなく、ノンフィクションであり、生々しい近現代史の一部であるというわけです。
 オーツは、ソビエトのスパイがここまで深くアメリカの政権中枢に関わっていたことをまったく知りませんでしたので、新鮮な驚きを感じつつ本書を読みました。
 当時のフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領およびそのあとのハリー・トルーマン大統領も本書中に記述されます。大統領がソビエトのスパイとどう関係していたのかがわかります。
 300ページ以上ある新書で、読み応えがあります。アメリカの当時の政策決定(たとえば、敗戦国のドイツや日本をどうするのか)がどのようになされたのかを考える上で、貴重な1冊といえます。

参考記事:
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/52017240.html


posted by オーツ at 04:46| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする