2020年02月25日

中高年でも酒離れが進んでいる?

 オーツは日経新聞の記事をネットで読んで、不思議に思いました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55913500R20C20A2SHA000/
 「中高年も「飲み方改革」 酒抜きで健康にカッコよく」
(2020/2/22 14:10)
 その記事の中で、「酒離れは中高年でも進んでいる」ということで、グラフが示されています。
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXMZO5591346021022020SHA001-PN1-2.jpg?auto=format%2Ccompress&ch=Width%2CDPR&fit=max&ixlib=java-1.2.0&s=a613b489d851eff23ca56379c2499e68
 このグラフは、お酒を週3日以上飲む人の割合です。
 60歳以上のところを見ると、さほど減っているようには見えません。ごくわずか減っているように見えます。
 しかし、20-39 歳、40-59 歳のところはかなりの落ち込みようです。やはり、若い人が飲まなくなっており、その影響が中年層まで及びつつあるといったところでしょうか。60歳以上にまでは及んでいないように見えます。元の記事では「中高年」と言っていますが、これは若干誤解を招く言い方のように思います。
 ところで、60歳以上のところを見ると、2007 年でも 2017 年でも 20% を下回っています。飲酒率はこんなに低いのでしょうか。オーツの周りの人を見ると、とてもそんなふうには見えません。大概の人が飲んでいるように思えます。
 そのとき、グラフの下の方の注記に気がつきました。「男女計」と書いてあります。一般に飲酒率は女性が低く、男性が高いのは常識ですから、こういう集計をするとき、男女別にするのが当然で、男女一緒にしてもあまり意味がありません。
 そこで、オーツは、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の元資料を見てみることにしました。
https://www.mhlw.go.jp/content/000451762.pdf
このファイルの 207 ページ、第98表「飲酒習慣者の割合の年次推移(性・年齢階級別)」に結果が載っています。それを見ると、以下のような飲酒率(%)の数値になっています。一部引用します。

         2007 2017
────────────────────────
男性 20-29 歳  16.0 16.2
   30-39 歳  36.1 24.9
   40-49 歳  49.2 36.8
   50-59 歳  40.8 43.8
   60-69 歳  40.8 41.4
   70 歳以上  24.0 27.4
女性 20-29 歳   6.3  3.0
   30-39 歳  13.2 10.2
   40-49 歳  15.7 14.8
   50-59 歳   8.1 12.8
   60-69 歳   5.9  9.6
   70 歳以上  0.9  2.1

 確かに、男性の30代、40代はこの10年間で飲酒率が下がっています。しかし、男性の20代は、過去10年間で飲酒率が変わらず、50代、60代、70歳以上は、むしろわずかに上がっています。
 女性は、20代から40代の飲酒率がわずかに下がっているようですが、50代、60代、70歳以上はむしろわずかに上がっています。
 さて、このような年齢別・男女別の傾向が事実であるわけですが、これを日経新聞の記事のように、男女を一緒にし、20代と30代、40代と50代、60代と70歳以上を一緒にしてグラフに示すことは正しい態度でしょうか。
 一緒にすることで、男女別の大きな違いが見えなくなってしまい、また、50代以上では男女とも飲酒率がわずかに上がっているのに、それが見えなくなっています。
 オーツは、厚生労働省の調査結果を日経新聞の記事がゆがめて伝えているように考えます。50歳以上の中高年層において、酒離れは起こっていないと見るのが正しい見方です。
 あえていえば、中高年にアルコール離れが広がっているという(意外な)話が先にあり、それに合わせて、日経新聞の記者が厚生労働省の元の数値を手直ししたと言えます。
 中高年の酒離れというのは意外な話だから、興味を持つ人もいるだろうし、おもしろいと思う人もいるでしょう。マスコミとしては、多くの人がおもしろいと思って記事を読んでくれればそれでいいのでしょう。
 しかし、それでは正確な情報が読者に伝わらなくなってしまいます。新聞記事として書かれた話が本当かというのは多くの人は疑ってもみないものでしょう。オーツは、たまたま飲酒率が極端に低いと感じたことから、数値を疑問に思って、元の資料に当たってみたわけでした。
 オーツはマスコミの怖さを痛感しました。
 ま、オーツがこんなブログで記事を書いて吠えたところで、多くの人の目には触れないのでしょうけれどもね。
posted by オーツ at 04:10| Comment(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする