2019年09月08日

北村淳(2019.7.12)『シミュレーション日本降伏』(PHP新書)PHP研究所

 オーツが読んだ本です。「中国から南西諸島を守る「島嶼防衛の鉄則」」という副題がついています。
 序章「日本降伏」では、中国軍が尖閣諸島に侵攻するやり方をシミュレーションで見せてくれます。リアルです。実際こうなりそうです。日本は、中国軍を一度尖閣諸島に上陸させた後、それを奪還する作戦を取りますが、それではうまくいかないというわけです。
 第1章「島嶼奪還という愚策」では、そもそも、戦略として島嶼奪還というのは成り立たないことを論じています。
 第2章「島嶼防衛の鉄則――海岸線に上陸させないこと」では、昔から現在までの各国の防衛戦略を説明し、一度上陸させてから奪還するというようなやり方ではだめであり、海岸線に上陸させないような防衛戦略を立てる必要があることを論じます。説得力があります。
 第3章「自衛隊と人民解放軍の「現実」を比較する」では、双方の軍事力を装備や練度の観点も含めて比較していきます。どうも日本は防衛力に欠けるようです。
 第4章「米軍依存と平和ボケの無限ループ」では、今の日本の(多数の日本人の)考え方の裏に潜む二つの傾向を指摘します。そして、それでは真の防衛にはならないことを解きます。
 第5章「どうすれば「接近阻止」ができるのか」では、海洋戦力を中国軍の三分の二程度には増強する必要があることを論じます。
 このように、今の日本の防衛戦略は欠陥だらけであり、南西諸島はまったく守られてもいない状況であると警告を発しています。
 オーツは、著者の意見に賛同しますが、しかし、だからといって、自衛隊の増強が可能かと考えてみると、それもまたむずかしそうです。適切な解決策がなさそうなのが恐いところです。
 日本の防衛力などを考える上では、とても有意義な一冊ではないでしょうか。


posted by オーツ at 06:33| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする