2019年09月02日

橘玲(2019.4.3)『働き方 2.0 vs 4.0』PHP研究所

 オーツが読んだ本です。「不条理な会社人生から自由になれる」という副題がついています。
 人間の働き方を考えるといった内容の本です。特に、日本の年功序列・終身雇用に基づいた会社とそこで働く人に焦点を当てています。日本語で書かれているから、日本人向けになるのはある意味で当然のことです。
 日本のサラリーマンの働き方は、世界標準から大きく離れています。しかし、終身雇用・年功序列の制度が社会にしっかりと組み込まれてしまっているため、それを大きく変えることはなかなか困難です。「既得権」を持つ側がそのような「変革」を拒むからです。その結果、日本と世界の間のさまざまな矛盾が浮かんできます。
 現地採用と本社採用による給与の違いなどというのは国籍による差別でしかありません。
 本書では、こうすればいいというような単純な処方箋は提示されません。実際、なかなか困難でしょう。ゆっくりとしか変われないし、そうしているうちに世界の流れからは完全に1周遅れになってしまうのです。しかし、それが日本(および日本人全体)の選択であれば、誰かがそれを変えることはできません。
 本書は、働き方を考えるいいきっかけになると思いますが、一方では日本の現状がどうしようもない段階であることが実感されて、いかにも希望がないようにも思えてきます。
 たとえば、今の子供たちが社会に出るころ(10年後)、どのような働き方をすすめればいいのでしょうか。今のような「会社」がそのころも残っているのでしょうか。
 いろいろなことを考えさせてくれる良書だと思います。
 とはいえ、橘玲氏の過去の本を読んで来た人なら、特段新しいことが書かれているようには思えないともいえます。


posted by オーツ at 05:29| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする