2019年08月29日

ダグラス・マレー(2018.12.27)『西洋の自死』東洋経済新報社

 オーツが読んだ本です。「移民・アイデンティティ・イスラム」という副題がついています。
 ヨーロッパは、大量の移民・難民の流入によって自ら死に向かっているということを述べています。イギリス、オランダ、フランス、ドイツなど、それぞれの具体的な移民政策が述べられます。なぜ、このような外国人歓迎の西洋の考え方が問題か。
 第1に、移民の数の多さです。数百人〜数千人くらいなら、何とか扱えるかもしれませんが、数万人から数百万人ともなると、普通の国では扱えません。大量の移民の流入によって、その国が疲弊してしまうのです。
 第2に、移民の多くはイスラム教徒です。イスラム教は、宗教という側面もありますが、キリスト教や西洋の政治体制とは大きく違った面があります。たとえば、アラーの神を侮辱するようなことがあれば、イスラム教の指導者がイスラム教徒に「誰それを殺せ」と命令し、実際、当該人物が殺されてしまうという事件が起こっています。このように、イスラム教徒は危険な一面を持つのですが、そういう人物が大量に西洋社会に入り込んでしまったわけです。大変なことになるわけです。最近の西洋のテロなどは目に見える問題として世界中から注目されています。さらに、目に見えない問題として、女性への強姦事件が極めて多数起こっているとのことです。加害者は外国人の若者である場合が多数です。
 こうして、大量の異人種が入り込んでしまった西洋は、もう今までの社会とは異なるものになってしまったともいえます。
 オーツの考えでは、ヨーロッパは国境をなくす(域内の人は他国へも自由に移動できるようにする)ことを目指しているようです。しかし、それによって、外国人移民・難民もまた移動の自由があるように考えられ、そう扱われてきました。その結果、ヨーロッパ各国に多数の移民・難民が存在する形になってしまったのです。
 この話はヨーロッパだけの問題ではありません。次なる問題として、日本も移民・難民の問題をどう扱うかということをめぐって、重大な危機が訪れようとしています。日本のこれからのあり方を議論する上でも、ヨーロッパの経験してきたことを先例として尊重するべきでしょう。移民によって多様な文化がもたらされるというようなプラス面もあるのですが、表だって語られない大きなマイナス面があるわけです。そういう議論が行われ、その結果としてこういう経緯を経て、ヨーロッパの現状があるわけです。日本は、ヨーロッパと違う面がいろいろあります。日本語を話す人々が多数集住していて、外国人が少ないこと、貧しい外国から相当な距離があること、ヨーロッパのような共同体意識ないし政治体制がなく、周りの国々から独立していることなどが日本の特徴です。それを活かしつつ、移民・難民問題を考えていきたいものです。
 そういう移民・難民を考える上で大きな手がかりになるのが本書です。

 本書は、本文全体で 512 ページほどあり、オーツはとりあえず 320 ページほどを読んだ段階で、中断しました。結構長いです。
 読みながら、ヨーロッパの苦悩がひしひしと感じられました。



参考記事:
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=7578
posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする