オーツは、いろいろなホテルに泊まるとき、不思議に思うことがありました。たいていのホテルでは、トイレの向かい側の壁の位置に大きな鏡(姿見)があるのです。なぜここにあるのでしょうか。
トイレで用を足すとき、トイレのドアを開けながら便器に腰掛ける姿になると、鏡に自分の姿が映ります。自分が便器に座る姿は見たくもありません。ドアを閉めれば見なくて済みますが、自分一人で部屋を使っている場合、そもそもドアを閉める意味がないわけで、気軽にトイレを使うためには、ドアを開けっぱなしにしておくのが好都合です。
考えてみると、おそらくこうだということに思い当たりました。
鏡を設置する場合、人がその前に立つので、若干のスペースが必要になります。狭い客室内でそういうスペースが取れるかと考えてみると、トイレのドアを開け閉めするときのスペース(ドアが動く部分)があるではありませんか。
鏡をそこから移動させることを考えてみれば、わかります。鏡との十分な距離が取れる空間が他にないのです。トイレのドア自体に鏡を付ける手はありますが、鏡が固定されていないような感じになり、ドア自体にいつも鏡の重さが加わると、耐久性の問題が生じるかもしれません。勢いよくドアを閉めると鏡が割れるかもしれません。
というわけで、鏡で自分を見るための十分な空間を確保するためにトイレの向かい側に鏡があるのだと思います。
それにしても、鏡を取り付ける場合、もう少し鏡を左右にずらしてくれてもよさそうな気がします。ドアの正面でない場所にすればいいだけです。数十センチずらせばそれで十分です。
もしかすると、便器に座る自分の姿を眺めたいと思う人もいるのでしょうか。