2019年05月31日

NHK放送技術研究所・技研公開 2019

 オーツは、NHK技研公開がけっこう好きです。放送に関わる最新技術を展示しています。
 昨年も行きました。
2018.5.25 http://o-tsu.seesaa.net/article/459575795.html
 今年も先日行ってきました。6月2日(日)までやっているとのことです。
https://www.nhk.or.jp/strl/open2019/
 会場内では4K8K放送関連の展示が多いように思いました。今のホットな話題なのでしょう。
 オーツがおもしろいと思った展示をいくつか紹介しましょう。

「生放送番組における自動字幕制作」
 生放送の音声を利用して、全自動で字幕を制作する仕組みです。人間のチェックなしです。5秒くらいの遅れで字幕が制作されます。オーツが音声を聞きながら漢字仮名交じり文を見てみた限りでは、かなりの精度であることがわかります。人名などはカタカナ表記で示されます。また、たまに文字化がうまくできないところがあって、「。。。」と表示されていました。しかし、十分実用化のレベルに達しているように思いました。
 係員の説明によれば、すでにいくつかの県(地域放送局)でインターネットでトライアル配信しているとのことで、視聴者からの反応を確かめている段階です。
 あとは、NHKの上層部なり総務省なりがゴーサインを出せば、実用化に踏み切れるとのことでした。しかし、実際字幕を放送で流すことになれば、それは「NHKが発信したものだ」と受け止められるわけですから、ちょっとした誤字でも政治的・社会的な問題になったりすることがあるかもしれません。そういったあたりが問題になりそうです。
 担当の女性研究員の話し方が、いかにも頭のよさそうな話し方だったことが印象に残りました。当然のことながら、オーツの質問に的確な回答が返ってきました。

「AIアナウンサー」
 ラジオの気象情報番組をAIアナウンサーに任せようということで、すでにトライアル放送がなされているとのことです。
 気象情報に関して、人間のアナウンサーの話し方をAIが学習して、そのまねをするわけですが、とても自然な合成音声になっており、驚きました。特に、アクセントやイントネーションが自然だったことが印象的でした。こうなってくると、聞いた側では、アナウンサーがAIか人間かわからないだろうと思います。機械らしさはまったく感じませんでした。こういう技術がさらに進展すると、人間のアナウンサーが失業する時代になりそうです。
 ブースでは、スポーツの実況中継などもAIアナウンサーで行いたいという話を聞きましたが、こうなると、何を視聴者に伝えるべきかの判断が加わってくるので、AIではむずかしいのではないかと思います。むしろ原稿読み上げに特化したAIアナウンサーでいいのではないかと思いました。(技術的には、何を伝えるべきかという研究もおもしろいのでしょうが。)

「ニュースを対象とした日英機械翻訳システム」
 日本語のニュース原稿を自動的に英語に翻訳します。NHKは、すでに大量の(人間が翻訳した)対訳データを持っているとのことで、それを活かして機械翻訳システムが学習することで高品質な翻訳を実現しています。ざっと見た限りでは、確かに自然な英語が生成されていました。大したものです。

 というわけで、今年もいろいろ興味深い研究の一端を知ることができました。毎年無料で公開しているのはすばらしいことです。
posted by オーツ at 04:55| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする