オーツが読んだ本です。「マルクスで読み解くグローバル経済の歴史」という副題が付いています。
注(参考文献)、人名索引、事項索引が付いており、本格的な学術書という体裁です。実際、なかなか歯ごたえがありました。
マルクスの考え方を読み直し、読み解き、それに基づいて世界の歴史を考えるというスタイルで記述され、どこかの分野の専門書というよりも、著者の世界観みたいなものを感じました。
イギリスが世界の大国になったのは、産業革命よりも奴隷貿易が寄与した部分が大きかったとか、中国は、大盗賊がとっかえひっかえ王朝を始めた国であるとか、インドが繊維産業から農産物の生産にシフトしていった状況とか、オーツの知らない話がいろいろと出てきて、世界史をとらえ直すような感覚になりました。
日本型資本主義はもう終わりだという第8章もおもしろく読みました。こういう意識を政治家が持っているかいないかで日本という国をどういう形に作っていくのかが大きく変わってくるでしょう。
いろいろと考えさせられる本でした。
参考記事:
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51923274.html