2017年08月19日

石平(2017.2)『トランプvs.中国は歴史の必然である』産経新聞出版

 オーツが読んだ本です。「近現代史で読み解く米中衝突」という副題が付いています。
 トランプ大統領と中国は対立するだろう。なぜならば、清朝以来の中国の伝統的な考え方があり、それが中国共産党の習近平まで引き継がれているからだという趣旨の本です。
 評論家の書いた本ですから、なぜそう考えるかということの根拠は、ほとんど書かれていません。しかし、そう考えれば、ほら、あれもこれもつじつまが合ってくるでしょ、ということで、著者の石氏の解釈を開陳してみせる本です。
 そういう解釈が正しいのかどうか、オーツにはわかりません。しかし、開陳された解釈は、それはそれでつじつまが合っているので、読んでいると、米中関係がわかったような気がしてきます。
 問題は、このような見方でいいのかどうか、何ともわからないという点です。
 序章「攻守を逆転させたトランプ」では、就任直後にいきなり台湾の総統と電話会談をしてみせるなど、最近のトランプ大統領の行動を描きます。
 第1章「アメリカの中国幻想 清朝−国共内戦」では、近代史を扱います。アメリカは商人としてアジアにやってきたのであって、中国を「侵略」(植民地化)したことがありません。しかし、アメリカは毛沢東に甘い期待を持ち、結局裏切られてしまったわけです。そんな歴史を描きます。
 第2章「騙され続けたアメリカ 毛沢東−胡錦濤」では、毛沢東が反米路線に転じたこと、中国が朝鮮戦争に参加した理由、中華帝国の復活をねらう毛沢東の考え方、毛沢東の考え方も中華思想で読み解けることなどを論じます。
 第3章「本性を剥き出しにした中華帝国 ケ小平−習近平」では、中国が海洋進出を強めるねらいや、アメリカとの関係などを論じます。
 第4章「アメリカ帝国の逆襲 習近平vs.オバマ」では、最近のアメリカと中国の対立の経緯などを論じます。
 第5章「米中衝突で日本が危ない」では、米中の衝突でアジアは戦国時代になり、中でも日本こそが米中衝突のテストに使われるとしています。
 このように、清朝から習近平までのさまざまな米中関係を基礎として、石氏流の解釈で歴史をながめています。本書を読むと、米中関係という軸で二大大国の歴史がわかったような気になります。
 オーツは、かなり納得感を持ちながら本書を読みました。石氏は中国生まれでその後日本に帰化した人です。そういう中国にルーツのある人の「視点」は、不透明な中国をパシッと切って中身を見せてくれるようなものです。
 とはいうものの、読後感としては、何か当たり前のことを述べているような気がしました。石氏のオリジナルな考え方もあるのでしょうが、どうもどこかで目にしたような議論が展開されるように感じました。おもしろい読み物と考えれば、これでいいのでしょう。

参考記事:
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=6672


ラベル:石平 中国 歴史
posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする