2017年06月27日

サイレント・ランニング(1972)

 オーツが見た映画です。NHK BS プレミアムで放送されることを知り、見てみました。
 45年前に作られた古いSF映画です。宇宙船のドームの中で植物を育てながら4人の宇宙飛行士が生活しているという設定です。しずしずと土星付近を移動する大きな宇宙船の描写は迫力があると思います。
 地球からの命令で、宇宙飛行士たちはドームをすべて破壊して帰還することになります。ここで、一人の宇宙飛行士が自分の育てた植物を大事にするために仲間を殺してしまいます。宇宙飛行士ともあろう人間がそんな行動をするものでしょうか。オーツは理解しがたいと思いました。
 さて、映画中には、言葉を理解するロボットが出てきます。自力でポーカーをしたりして、宇宙飛行士の相手をします。歩き方がよちよち歩きで、かわいい感じです。こういうロボットがあるということは、(時代設定がよくわかりませんが)相当に科学技術が進んでいるということになります。
 ところが、宇宙船の描写を見ると、突っ込みどころが満載です。
 土星付近を航行中に、地球と無線通信で話をしたりします。普通に両者が会話している感じです。しかし、土星付近ともなれば地球からの電波が届くまでに1時間以上かかるはずです。つまり、両者で相づちを打ったりして会話の往復を進めることはできないのです。映画の中で描かれるのは、全然遅れがないような会話の描写でした。
 植物を育てているドームは、普通に宇宙船に接続されているようでした。しかし、こんなことではドームの中が無重力状態になってしまい、植物の成長にも多大な影響が出ますし、土が下(下がどちらかは大問題ですが)に固定される仕組みがなくなり、大変です。しかし、ドーム内の移動は、普通の歩行が可能であったり、カートに乗って移動したりもでき、まるでここが地上であるかのように、重力があるように描かれます。こんなふうに近未来に重力が制御できるようになるとは思えません。
 ドームを破壊するときに、ドームを時限爆弾で爆破するという考え方もおかしいです。ドームを爆破すると、その破片で自分たちの宇宙船が被害を受けるだろうと思います。映画の中では、ドームを宇宙船から切り離してから数秒程度で爆破していますが、そんな危険なことをせずに、もっと長時間かけるべきだし、それよりも、ドームを爆破などせず、単に放置するのが正しいやり方でしょう。一番安価なやり方です。ドームのエネルギーが尽きれば、植物などの生命活動がまかなえず、ドーム全体が「死」で覆われます。あるいは、ドームを太陽に飛び込ませるやり方も有効です。飛行コースを変更するのに(宇宙船の)燃料がかかるのが欠点ですが、太陽に近づいていけば、その熱で宇宙船が溶けてしまうでしょう。太陽は無料のゴミ処理施設と考えられます。
 宇宙船の設計で腑に落ちない点もあります。ドームは透明なカバーで覆われています。おそらくプラスチック製なのでしょう。しかし、こんな形の宇宙船で土星付近まで行ってしまうとなると、中で暮らす宇宙飛行士たちは、飛び交う宇宙線を直接浴びることになるので、大変危険です。
 そして、映画を見ながらオーツが思わず笑ってしまったことがあります。ドーム内の植物の元気がなくなり、その原因がすぐにわからず、のちに光を植物に当てるわけですが、こんなことは常識であり、考えるまでもありません。植物が元気をなくしたら、すぐに光にさらすべきだし、その前に、宇宙船とドームの設計段階で、植物を育てるための光(と空気と水)のことを考えておくものです。宇宙飛行士がそんなことにも気がつかないなんてことは考えられません。
 というわけで、基本的なところで、納得できない点がいくつもあり、オーツはそれらが気になって、ストーリーにのめり込めませんでした。


posted by オーツ at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする