2017年03月01日

吉川洋(2016.8)『人口と日本経済』(中公新書)中央公論社

 オーツが読んだ本です。「長寿、イノベーション、経済成長」という副題が付いています。
 著者は経済学者です。マクロ経済学が専門です。日本は人口が減りつつありますが、そうすると働き手が少なくなり、経済は成長しないと考えられるわけですが、著者は、それは間違いだと断言します。経済成長の鍵はイノベーションであり、日本が長寿国だからこそイノベーションを起こすことができる、つまり、今の日本はチャンスを迎えているというわけです。
 目次は、以下の通りです。
第1章 経済学は人口をいかに考えてきたか
第2章 人口減少と日本経済
第3章 長寿という果実
第4章 人間にとって経済とは何か

 第1章は、人口を経済学がどうとらえてきたかを概観します。いろいろな時代、いろいろな地域の人口を調べています。マルサスの『人口論』も当然検討しています。人口については、多いか少ないか、いろいろな考え方があり、議論が分かれているようです。
 第2章では、さまざまなデータを示しながら、人口減少でも日本経済は成長しうることを示します。実際、技術革新で日本は成長してきたわけです。
 オーツは、p.70 に載っている 1878年、1920年、1985年の日本の都市の人口を示した表がおもしろかったです。現在は東京集中型ですが、明治時代はそうでもなく、地方都市にもそれなりの人口があったことがわかります。日本のあり方がこの100年の間に変わってきたことを如実に示しています。
 第3章では、日本を含む先進国が豊かになり、その結果として長寿社会が到来したことを示します。我々は幸せな時代に生きているということです。
 第4章では、「経済」に対する見方を説明しています。経済学入門のような内容でしょうか。イノベーションを起こすことによって、日本はさらに経済成長していけるということが論じられています。
 田んぼをクワで耕していた時代から、トラクターで耕す時代になり、一人で広い田んぼを耕すことができるようになりました。こうして一人あたりの生産性が上がり、豊かになっていくわけです。こういうことが継続すれば、人口が減少していくとしても経済成長は可能だろうと思いました。

参考記事 http://agora-web.jp/archives/2020968.html


posted by オーツ at 04:21| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする