2016年10月22日

野中尚人(2013.4)『さらばガラパゴス政治』日本経済新聞出版社

 オーツが読んだ本です。「決められる日本に作り直す」という副題が付いています。
 日本の政治のあり方を痛烈に批判する内容です。
 政治の動きを見ていると、何とももどかしく感じるものですが、それは、時の総理大臣なり、与党なりの問題ではなく、日本の政治的な決定のプロセス自体にあるということです。
 したがって、政権交代があろうとどうだろうと、仕組み自体が変わるわけではないので、日本のあり方を変えるようなことはできないというわけです。
 本書では、日本の政治の仕組みをヨーロッパの先進国などと比較する部分がかなり多いと思います。まあ、外国を鏡として、そこに日本の姿を写して、日本を考えるという常套的手段ということになるでしょうか。
 3年以上前の出版なので、今となっては記述が古い部分もありますが、本書で指摘されている日本の問題点は何も変わっておらず、現在でも通用する議論であると思います。
 本書では、日本の議院内閣制がおかしいと述べています。総理大臣のリーダーシップが発揮できず、国会至上主義が蔓延し、しかもその国会が野党の「抵抗」で大事なことでも何でも「決められない」事態になりがちであるというわけです。予算執行でさえも、首相が決められない(なぜならば「特例公債法案」を国会が認めなければ国債の発行ができず、予算案が机上の空論になってしまうから)といった状態では、首相といえども手足を縛られた状態であるといっても過言ではないでしょう。
 国会の非効率もはなはだしいもので、討議・討論がどこにあるのか、わからない状態です。予算委員会などは特にひどく、「予算委員会」といいながら、審議の内容は何でもありになっていて、肝心の予算の審議をしていないのです。これはテレビの国会中継を見ていてもわかります。
 閣議は、内閣の最重要会議ですが、そこでも実質的な議論はなされず、単なるサイン会になっているとしています。実情を見ると、そう見えてもしかたがないことになっています。
 というようなことで、現在の日本の政治がどんなものかを理解するにはとても適した本のように思えます。本書を読むと、なぜ日本の政治家があんなふうに行動するのか、とてもよくわかります。

参考記事:
http://agora-web.jp/archives/1532093.html


posted by オーツ at 04:33| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする