2016年09月23日

藤岡信勝(編著)(2016.5)『国連が世界に広めた「慰安婦=性奴隷」の嘘』自由社

 オーツが読んだ本です。「ジュネーブ国連派遣団報告」という副題が付いています。
 本書を読むと、国連がずいぶんとひどい組織であることがわかります。日本人は、国連に頼って平和を守ろうというような考え方が強いように感じますが、それは大変な幻想であることがわかります。各国の利害がぶつかり、それぞれが自己主張し、その結果、何も決まらなかったり、とんでもない話が通ってしまったりという、かなりおかしな組織です。
 本書は 419 ページほどの本ですが、多数の著者が分担執筆しています。そのためか、やや冗長なところもありますが、全体として、オーツが知らなかったような国連の実態が描かれており、大変興味深く読むことができました。
 〈序章〉「「慰安婦=性奴隷」説の捏造と拡散」では、国連を利用して、一部の日本人が間違った説を広めていったことが記述されます。sex slave ということばも戸塚悦朗元弁護士が国連人権委員会に持ち込み、国連がそういう言い方をするようになったとのことです。
 〈第1章〉「そもそも、国連とは何だったのか」では、国連とはつまり第二次世界大戦の「連合国」のことであり、日本では、時期によって The United Nations の訳語が違っているわけですが、英語圏や中国語・韓国語でも同じ言い方をしているとのことです。そして、国連は膨大な予算を使いながら、けっこう腐敗が広がっているという話です。
 〈第2章〉「世界に広がった「慰安婦=性奴隷」の嘘」では、世界各国で慰安婦がどう報道されているかをまとめています。「慰安婦=性奴隷」は、今や世界の潮流になってしまっています。これを否定することはなかなかむずかしいことになってしまっています。
 第3章から第6章までは、著者たちの国民運動調査団が国連に行き、その実態を見て、慰安婦=性奴隷ではないという趣旨の発言をし、国連が日本政府に事実確認を求めるというような流れができつつあるという報告です。
 慰安婦問題では、日本政府の腰が引けている対応が問題を大きくしてしまったといえると思います。国連のクマラスワミ報告についても、せっかく外務省が反論の文書をまとめながら、結果的にそれを公表することなく、いわば日本政府がクマラスワミ報告を認めてしまった形になっています。なぜこういう対応をしてきたのか、まったくわかりませんが、日本外交の失敗の典型例のように思えます。
 本書は、慰安婦問題の実際を知る上で有用な資料だと思いました。


posted by オーツ at 04:35| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする