2016年02月04日

原彬久(2000.3)『戦後史のなかの日本社会党』(中公新書)中央公論新社

 オーツが読んだ本です。「その理想主義とは何であったのか」という副題がついています。
 新書とはいえ、373ページもあり、けっこう分厚いものです。全部読み通すのに時間がかかりました。価格も 980 円もします。(オーツは図書館で無料で借りましたが。)
 内容としては、日本社会党の歴史を振り返り、社会党とはどういう政党であったのかを丹念に記述しています。終戦の日から始まり、1996年ころまでをカバーしています。
 オーツは、若いころ(数十年前)、選挙のときに社会党の候補者に投票したこともあったのですが、本書を読んでみて、当時の社会党がこういう考えであったということを知っていたら、投票しなかっただろうと思いました。まあ、それくらいいい加減に投票していたということです。
 何よりも、一番驚いたのは、以前の社会党が議会制民主主義を否定し、一度日本国が社会主義になったら、その体制を固定化するという方針であったこと、さらに、議会での多数決とともに、大衆動員を重視し、むしろ、大衆による革命をもくろんでいたことです。こういうことを知っていたら、社会党の候補者には絶対投票しなかったはずです。そんなことも知らずに投票していたのかといわれそうですが、実際、選挙のたびに選挙公報などで候補者の公約などを見て判断していましたが、そんなことをうたう候補者はいなかったと思います。しかし、当時の社会党の綱領を見ると、そう明記されているのですね。そういうことを知って驚いたのでした。
 非武装中立路線も、日本が取るべき道ではないと思いますが、そういう路線を社会党が本当に主張していたのですね。「う〜ん」でした。
 他にも、いろいろ書いてあります。社会党のことを知るには本書で十分だと思います。
 ただし、本書は全体として淡々とした記述が続きます。特に戦後すぐのころは、登場人物もオーツが知らない人(歴史上の人物)ばかりですので、誰某がどうこうしたと書かれてあっても、興味がわきませんでした。途中から知った顔が出てきて、そういえばこんな人がいたなあということで、興味を持ちながら読むことができました。
 本書は充実した内容ではありますが、できたらこの半分くらいの分量でまとめてあれば、もう少し読もうという人が多くなるかもしれないと感じました。


posted by オーツ at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする