2015年06月19日

数字のカラクリが必要であるという記事の数字の扱い方

 オーツは、ネット中のとある記事を読みました。
http://agora-web.jp/archives/1645477.html
(2015年06月18日05:00)
尾藤克之氏が深沢真太郎氏にインタビューする形の記事で、深沢氏が語り手で、尾藤氏が聞き手です。
 記事中に、こんな話が出てきます。
次のケースがあったとします。あなたは、A課の課長です。半期を過ぎて達成率が40%です。頑張っても目標には届きそうもありません。予算減額の交渉をしたいと考えたとしましょう。このような時、「厳しいので予算を下げてください」と頭を下げるのは愚の骨頂です。それこそ、ダメ課長の烙印をおされるだけです。

A課 予算2億(半期達成率40%) スタッフ10名
B課 予算1億(半期達成率60%) スタッフ5名

 オーツは、ここで「予算」ということばが出てきたとき、一体これは何かと思いました。A課とB課が、予算(つまりお金)を使って(研究開発をするとか)何かの目標を達成する話かと思いました。
 しかし、それでは、どうも話のつじつまが合いません。
 どうも「予算」というのは、課の売り上げのような話のようです。つまり、支出の予算ではなく、収入の予算です。こういうあたりがきちんとしていない点で、この人の話は回りに配慮していない傾向があると感じました。
 で、さらに、話はこう続きます。
私なら、A課、B課のコストを算出します。給料などの固定費や経費のコストを計算します。(仮に両課とも5000万円だとします)。さらに、スタッフ1名あたりの粗利益も算出します。

A課 売上実績8000万円−コスト5000万円=粗利益3000万円
粗利益3000万円÷10名=粗利益300万円/1名あたり

B課 売上実績6000万円−コスト5000万円=粗利益1000万円
粗利益1000万円÷5名=粗利益200万円/1名あたり

ここまでのスタッフあたりの粗利益を見れば、達成率60%のB課より達成率40%のA課のほうがパフォーマンスが良いとも評価できます。

 オーツは、この部分を読んで、かなり驚きました。数字の扱い方がずさんすぎます。
 コストというのは、「給料などの固定費や経費」というわけですが、スタッフ数が2倍もちがう二つの課で、コストが同額の 5,000 万円だという仮定は、あり得ません。普通は2倍くらいちがってしまうものです。給料は(人数比に応じて)2倍ちがうのが当然だし、仕事スペースとして部屋を使っているとしたら、人数に応じて広さも変わってくるものですから、部屋代という固定費もやはり2倍くらいちがうでしょう。水光熱費、交通費、通信費など、どう考えても2倍ちがってくるのではないでしょうか。おかしな仮定を置いてその後の議論を進めていくので、話がとんちんかんになります。
 オーツだったら、A課のコスト 5,000 万円、B課のコスト 2,500 万円として以下のような計算をするでしょう。
A課 売上実績8000万円−コスト5000万円=粗利益3000万円
粗利益3000万円÷10名=粗利益300万円/1名あたり

B課 売上実績6000万円−コスト2500万円=粗利益3500万円
粗利益3500万円÷5名=粗利益700万円/1名あたり

 この計算によれば、B課のほうがA課よりもずっとパフォーマンスが良いという評価になります。これが常識です。

 記事によれば、深沢氏は「現在、研修講師や大学教員として数字力を指導している」ようです。オーツは、こういう人に教わりたくはないなあと思いました。
 ちょっとネットで検索すると、深沢氏のプロフィールが出てきました。
http://imakarasuugaku.com/about/lecturer_fukasawa.html
それによると、「日本大学大学院総合基礎科学研究科修了 理学修士(数学)」だそうです。大学院修了者なんですね。日本大学は、一体、どんな教育をしているのでしょうか。いや、修士課程を終えているのだから、大学側の教育の問題というよりは、本人の問題が大きいですかね。
 そして、インタビューアーの尾藤氏は、何もツッコミをいれずに「---ありがとうございました。」でインタビューを終わらせています。これでいいのでしょうか。
 残念な記事でした。
posted by オーツ at 03:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする