オーツが読んだ本です。著者の鈴置氏は日本経済新聞社の編集委員で1954年生まれの59歳です。
この本は、2013年2月から10月まで、日経ビジネスオンライン「早読み 深読み 朝鮮半島」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120120/226331/
に連載した記事を修正・加筆したものです。連載は今でも続いていますから、最近の記事を無料で読むことができます。
オーツは、タイトルに惹かれて読むことにしたのですが、一読して、全般に残念な印象を持ちました。
主張というか、朝鮮半島情勢を見る目(見方)はおもしろいと思うのですが、それを裏付けるデータがかなり乏しいのです。これこれの見方をすればいろいろなことが見えるようになるという感じで書かれているように思いました。それが間違いだとまではいえませんし、たぶん、妥当なように思うのですが、なお、それを裏付ける「根拠」がほしいのです。データです。それが示されていないことが多いので、もったいないように感じました。
ジャーナリストは、しばしばいろいろな人に取材して、それらを総合しつつものの見方を作り上げ、その観点で全体を俯瞰するような記事を書く場合があると思いますが、本書はまさにそういう本だと思います。
鈴置氏が対談した数人の人の話も本書のかなりの部分を占めますが、それは鈴置氏の著書にそのまま収めていいものでしょうか。対談相手の了解は取ってあるはずですが、そこに書かれたものはどういう性質のものでしょうか。
オーツはこういう書き方の本を好みません。