2014年01月19日

ジョージ・アキタ、ブランドン・パーマー(2013.8)『「日本の朝鮮統治」を検証する 1910-1945』草思社

 オーツが読んだ本です。原書は英語で書かれ、比較的最近刊行されたもののようです。
 ジョージ・アキタ氏が本書の大部分を執筆したようですが、アキタ氏は、1926年ハワイ生まれの日系二世です。
 本書の結論は第18章のタイトルそのままです。「「九分どおり公平(フェア)」だった朝鮮統治」ということです。そのことをいうために、いろいろな資料を示しながら議論を進めます。非常に長い注が付いていて、情報のソースを明示しています。いかにも研究者らしい態度で、好感が持てます。もしも、アキタ氏の主張に疑問がある場合は、元の資料にさかのぼって調べることができます。
 全部で18章と聞くと、長いように思えますが、全体は訳者あとがきを含めて310ページです。第10章は1ページしかありません。一方、第17章は82ページもあります。もう少し、バランスを考慮した章立てにしてもらいたいと感じました。まさか、短い章は訳者が抄出したとかいうことはないでしょうね。
 オーツがおもしろいと思ったのは、第15章で、「欧米と日本の植民地政策を比較する」というところです。日本が朝鮮半島をどのようなものとして考え、どういう政策をとったか。それが欧米流のやり方と比較されています。オーツが知らない話がたくさん書いてありました。欧米の持っていた「植民地」というのは厳しい制度だったんですね。朝鮮半島は、それに比べるとまさに雲泥の差だったことがわかります。もちろん、朝鮮半島が(他の植民地と比べて)優遇されていたということです。
 第14章では、「中国における近代化の現状」ということで、今の中国のあり方を議論しています。本書の記述内容との関連はあるものの、時代も地域も異なるものを持ってくるというのは、ちょっとミスリーディングかもしれないと感じました。
 とはいえ、本書を通読すると、日本はどうするべきか、韓国や中国の主張とどう向き合うべきか、考えさせられることがたくさんありました。
 現在に至る、韓国との摩擦(慰安婦問題や歴史認識問題)を考える上で、知っておくべき重要なことが書かれている本であると思いました。


posted by オーツ at 04:50| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする