以下の感想は、シロートのたわごとです。ご注意ください。
オーツは14日にコンサートを聴きにサントリーホールまで出向きました。
座席は、前から3列目で、かぶりつきの席です。ステージに向かってやや左側でした。
指揮者は首席客演指揮者のクシシュトフ・ウルバンスキです。
1曲目はチャイコフスキーの幻想序曲「ロミオとジュリエット」でした。
指揮者がステージに登場すると、いやホントに若い! 写真以上に若い感じでした。動作もきびきびしていて、気持ちがすっきりします。大編成のオーケストラは、ホールの中でとてもよく響き、いかにもチャイコフスキーらしい演奏でした。
いいオーケストラです。
ふと気がつくと、第1バイオリンは演奏者12人のうち8人が女性です。以前は、女性がこんなに多くはなかったように思いましたが、だんだん時代とともに女性が進出してきたのでしょうね。
コンサート会場は静かで、クルマの中で聴く音楽と違って深みがあります。特にコントラバスなどの低音の響きは生ならではだと思います。いい雰囲気でした。
2曲目はチャイコフスキーのバイオリン協奏曲でした。バイオリンソロは神尾真由子です。
名曲であり、誰でも知っている曲です。オーツは、何十回も聞いたと思います。たいていはクルマの中でCDを聞くスタイルでしたが、コンサートでも何回かは聞いたように思います。
神尾のバイオリンの弾き方は、自分の身体を中心にバイオリンを振り回しながら弾くのです。オーツが見ていると、ソリストを正面から見るような形のときもあれば、背中が全部見えるくらいのときもありました。ぐるぐるぐるぐるバイオリンを振り回すのです。たいていはそれでも音には影響がないのでしょうが、オーツの位置からはちょっと気になりました。バイオリンが見えなくなるようなとき(ソリストの背中が見えるとき)は、明らかにバイオリンの音が小さくなりますし、ちょっとぼやけたような感じに響きます。バイオリンからオーツの耳に直接音が飛び込んでくることはなく、壁や天井で反響してから飛び込んでくるので、柔らかい音になってしまうのです。こういうことが演奏の途中でずっと続きます。
もっとも、正面のパイプオルガンの下の座席に座っている人などは、いつもソリストの背中を見ているわけで、いわば間接音ばかり聞いているわけですから、このことが単に悪いという話ではないと思います。やはり、バイオリンを振り回すことで聞こえが次々と変化していくというのが落ち着かないのだと思います。
付言すると、これに加えて、神尾がステージ上を歩くこともあり、立ち位置が変わってしまうのです。こちらは音に影響することはあまりないとは思いますが、この演奏スタイルはいかがなものでしょうか。
協奏曲を聴いていると、途中で音程を外すことが何回もありました。第1楽章が特に多かったように思います。チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は、親しみのある曲の割には、実際にはけっこうむずかしい曲のようで、指の動きがとても激しく、バイオリニストも大変だなあなどと感じるレベルでした。しかし、プロがステージ上で演奏しているわけですから、こんなにも音程を外すのはどうなんでしょうね。
弓の糸が切れたことも(オーツの席がかぶりつきだったので)よく見えました。切れた糸をゆらゆらさせながら弾いていましたが、少なくとも3回は切れましたかね。神尾は自分の手で切れた糸を引きちぎっていましたが、もしかすると、これが演奏に影響した可能性もあるかもしれません。
プログラムに書かれていた説明文によれば、相当な才能の持ち主のようです。今後に期待しましょう。
3曲目はストラビンスキーのバレエ音楽「春の祭典」でした。実は、オーツはこの曲が嫌いです。持っているCDからクルマ積載用のフラッシュメモリにコピーするとき、
2013.4.1 http://o-tsu.seesaa.net/article/353499141.html
わざわざこの曲だけをコピーしないようにしたのでした。
しかし、コンサートなので、せっかくだからと思って、一応聞いてみることにしました。オーケストラは一生懸命演奏していい音を出していました。でも、嫌いなものは嫌いなままでした。
何となく、指揮者が指揮台上で踊りを踊っているように見えました。
どうにも気分が乗れないので、オーツは、演奏終了後、すぐに帰宅の途につきました。
あとで、チケットの残りを見たら、A席で、会員券として 3,780 円(税込み)と書いてありました。妻からのプレゼントでした。