2013年10月28日

任意団体の法人住民税

 オーツが関係しているいくつかの任意団体で法人化の話が出ています。
 法人化するかどうかとは別に、(任意団体でも)税金を払うべきだという議論もあります。
 このあたり、なかなかやっかいな問題です。
 ちょっと「任意団体の法人住民税」について調べてみました。

 基礎情報として、
http://www.tabisland.ne.jp/explain/npo/npo_201.htm
があります。法人に対する課税の一覧があります。法人等の種類による違いがわかりやすいと思います。
 任意団体(人格なき社団等)でも、いろいろ法人税が関わってくる場合があります。
 次に、
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f100183/p16602.html
ですが、任意団体とNPO法人を比較しつつ、「任意団体とNPO法人の税務上の取り扱いはほぼ同一で、収益事業を行い所得が出たときは、その所得に対する税金として、両者とも、1.国の法人税、2.県の事業税、3.法人税に基づき算定した住民税(県民税と市民税のこと)の法人税割と合わせて、4.住民税の均等割(団体としての実体が"赤字"であっても必ず納付すべき税金で、原則として都道府県への2万円と市町村への5万円の合計7万円)も納めなければなりません。」とあります。
 法人税の場合、収益事業か否かというところがまず問題になりそうです。
 任意団体の行っていることの一部が収益事業か否かは、税務署と任意団体側で見解が分かれるところかもしれません。税務署が収益事業とみなせば課税してくる可能性はあります。うまく反論できるでしょうか。
 収益事業については
http://www.tabisland.ne.jp/explain/npo/npo_202.htm
が詳しく説明しています。「法人税法上の収益事業とは、次の33種類の事業を、継続して事業場を設けて営むことをいいます。」ということで33種類の事業がリストアップされています。

 さらに、収益がなくてもかかってくる税金があります。
http://www.tt-tax.net/category/1247505.html
http://www.tt-tax.net/article/13314555.html
では、「法人住民税 (地方税)のうち、利益に関係なくかかる税金があります。」ということで法人住民税の均等割について、都道府県に払う2万円と市町村に払う5万円の合計7万円が必要だとしています。これは任意団体の場合でも、赤字の場合でも、払うべきものといえます。
 NPO 法人の場合、
http://blog.canpan.info/waki/archive/101
によれば、「多くの自治体では、収益事業を行っていないNPO法人については、「免除申請書」と「均等割申告書」を提出することで、均等割を免除しています。」ということで、均等割を免除しているケースが多いようです。
 似たような話はあちこちで出てきます。以下にいくつかの例を挙げます。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/info/npo2008.pdf
http://www.city.gujo.gifu.jp/life/detail/post-142.html
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000199/199201/03kakukangaekata(koshi_hoka).pdf
http://ameblo.jp/sapporo-keiri/entry-11293842778.html
 いずれも個別の市町村なり都道府県なりが減免しているという状況です。
 しかし、任意団体の場合は、均等割を免除することができません。つまり7万円を払う必要があるということです。
 本当に、任意団体は法人税の均等割分を払っているのでしょうか。オーツの周りを見渡しても、そんなことをしている例がありません。たとえば
http://www.justanswer.jp/tax/7qeke-.html
には、コーラスグループの例があります。こんなふうに、何かというと、人が二人以上集まって「任意団体」が作られることが多いと思われます。
 なぜ、多くの任意団体で法人税の均等割を払っていないのでしょうか。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f100183/p28234.html
によれば、「ただし、実際には、ボランティア団体(任意団体)の登記制度がないため、ボランティア団体に対する課税は、ほとんど行われていないのが現状です。」と書いています。つまり、法人は、法務局に登記しますから、その登記の場所に法人が存在することになり、その場所を管轄する税務署が法人に関して税務調査をすることができます。
 しかし、任意団体の場合は、その所在地がよくわからない(税務署が把握していない)場合が大半だ(もしかしてすべて?)ということになります。
 定款や会則などで、所在地を決めている場合は、そこが任意団体の所在地ということになります。しかし、事務局が会長の関係する機関に置かれるような規定を持つ場合もあります。そして、選挙などで会長が2〜3年ごとに変わっていく場合も多いわけです。こんなことで所在地がぐるぐる回っていくのでは税務署も把握できないということになります。結果的に、各税務署は任意団体について調べようがないのです。
 もっとも、任意団体が消費税を払うことになったり、人件費の支払時に源泉徴収をしたりすることになれば、税務署に報告することになるので、税務署が任意団体を把握することになるという面もあります。

 均等割を払わないもう一つの理由は、任意団体の関係者がそういう税法上の規則を知らないということがあります。
http://shotokuzei.k-solution.info/2011/02/_1_393.html
にあるように「法人市民税では、申告納税方式が採用されています。」というわけで、自分から「払う」といわないと、払わないままで済まされてしまう(本当は済まないのだけれど、申告する側が気がつかないままだと、税務署としては何もできない)ケースが多いということになります。
 法人住民税の均等割7万円については、任意団体であっても税法上払うべきだということになりますが、払っても何も任意団体側にメリットがなく、税務署から「払え」と請求されることはなく、仮に払ったとしても、税務署的には大した金額ではないので、手間をかけるだけ徴税のコストがかさむものになっており、継続的に払うようになっても、数年後には任意団体がよそへ移動してしまうこともあるということでは、徴収率を上げるというのは非常に困難ではないかと思います。
 任意団体に課税を督促しようというなら、特定の団体だけを狙い撃ちにして行うべきでなく、あらゆる任意団体に対して一斉に行うべきです。そうでないと徴税の公平性が保てません。しかし、同窓会、PTA、マンションの管理組合、趣味のグループなど、膨大な数の任意団体があると想定できるわけですから、それらを全部把握して、一斉に課税の督促をするとなると、実際上不可能です。税務署としては、任意団体への法人税均等割は、法律上徴税できるのだけれど、事実上見過ごされていると思います。そして、任意団体が法人成りするときに、そこから法人税の徴収が始まるということを考えているのでしょう。
 任意団体の法人住民税についていえば、法律とその運用がずれているのが実態ではないでしょうか。
posted by オーツ at 04:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする