いやな事件が起こるものです。
ところで、朝日新聞のデジタル版を読んでいたら、次のような記事がありました。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201310090752.html
池永容疑者は調べに対して、「復縁を拒まれて、恨みを持った。凶器のナイフは数日前に買った。殺すつもりだった」と話しているという。
オーツは、この記事を読んで、「おや?」と思いました。容疑者が「復縁」と言っているのです。
復縁と言えば、結婚していた二人が離婚して、その後再度結婚した場合にいうのではないでしょうか。
goo 辞書(大辞泉)では、復縁の語釈は次のように書かれています。「離婚した夫婦、離縁した養子縁組などが再びもとの関係に戻ること。」
『三省堂国語辞典 第5版』では、復縁の語釈は次のように書かれています。「離縁した者がまたもとの関係にもどること。」そして「離縁」のところには「@夫婦の縁を切ること。離婚。A〔法〕養子の縁を切ること。」と書かれています。
大辞泉の「など」がくせ者で、夫婦と養子縁組の他にどこまでを含むか、あいまいです。三省堂国語辞典のほうは「など」がないので、それに従えば、夫婦と養子縁組の場合だけ復縁といえます。
恋人や愛人と「復縁」することはできるのでしょうか。オーツの語感では、これらは復縁ではないように感じます。しかし、今回の容疑者はそれを「復縁」と呼んでいます。
ちょっと WWW での用例を調べてみました。用例数をちゃんと数えたわけではありませんが、ざっと見た限りで「復縁」は恋人の場合が圧倒的に多いようでした。WWW 内の文章は若い人が書いていることが多いことを考えると、復縁の指す範囲がだんだん広がってきており、今や(若い人では)恋人との「復縁」が当たり前になっているようです。
どうやら、オーツも「最近の若い人たちは……」と言いたくなる年齢になったようです。
ラベル:復縁