2013年03月08日

倉部史記(2012.7)『看板学部と看板倒れ学部』(中公新書ラクレ)中央公論新社

 オーツが読んだ本です。「大学教育は玉石混交」という副題がついています。
 看板学部というのは、その大学の看板になっているような有名な学部のことです。伝統的な学部であることが多いわけですが、慶應義塾大学のSFCの総合政策学部・環境情報学部のような新しい看板学部もあります。
 そういうものを手がかりに、大学とはどういうところかを論じたものです。
 今や、何百もの新しい名前の学部が誕生していることなども、大学の変化の反映でしょう。
 オーツは、日本大学の14学部が一番大きな大学かと思っていましたが、そうではなく、p.28 によれば、東海大学18学部、法政大学15学部があります。法政大学は、1998年には6学部だったのに、11年後までに9学部も増えているというのですから驚きです。
 こうして、新しい学部が増えていくとき、カタカナの名前の学部も増えていきます。
 大学の現状は、何が何だかわからないといったところでしょうか。
 本書では、こういう大学のあり方がなぜできあがってきたのかを書いています。単純化して言えば学生獲得のためです。今や、大学は、生き残りをかけた競争時代を迎えているわけで、何とかして学生を確保したいわけです。その中で、大学は、模索しつつ変わっていく途中であるととらえられます。
 本書は、大学の偽らざる実態を描いていますので、高校生が進学のために読むには、ちょっとむずかしいかもしれません。しかし、本当は、こうした大学の実像をきちんと把握した上で大学選び・学部選び・学科選びをしたいものです。
 本書は、むしろ、大学関係者が読むといいと思います。自分の大学についても知らない部分を知ることができます。今後の大学のあるべき姿などを考える上でも有用です。

 オーツは、この著者の本を以前にも読んだことがあります。『文学部がなくなる日』
2011.11.3 http://o-tsu.seesaa.net/article/233328421.html
というものです。


posted by オーツ at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする