オーツのはじめての経験でした。
ボールペンである書類を記入していたときのことです。とある欄に人の名前を書くことになっていました。
「佐藤」はすらすらと書けたのですが、「伊藤」を書こうとして、「藤」の右下を書くときに「券」のように書いてしまい、「あっ、しまった」と思いました。
ところが、ここで、書いた文字にちょこっと書き加えて「藤」にしようとしたら「藤」の漢字を忘れていることに気がつきました。どんな形だったのか、思い出せなくなってしまったのです。
不思議な経験でした。
ボールペンで一気に書くときは、筆順を手が覚えているのでしょう。(実は、もちろん、頭が覚えているわけですが。)すらすらと書けるのです。ところが、書いている途中で止まってしまうと、その先が出てきません。書類を見ると、先ほど書いた「佐藤」が上の方にあります。それを見ながら「藤」を書きました。
オーツは、「忘れる」ことを経験しました。
なるほど、漢字が書けないというのは、こういうことなんですね。
60歳にして、こんな経験をするとは……。
初めに「オーツのはじめての経験でした。」と書きましたが、実は、以前にもあったかもしれません。忘れた経験があることを忘れてしまったのではないかと思います。
ブログに書いておくと、記録になります。再度、同じ経験をしたら、以前のブログを検索して、前に同じ経験をしていたかどうかがわかります。
忘れるということは、都合の悪いことのようにも思いますが、都合のいいことなのかもしれません。
「私の頭の中の消しゴム」
2008.10.19 http://o-tsu.seesaa.net/article/108292133.html
という映画を思い出しました。
いよいよこのブログがボケ日記になってきました。