オーツの勤務先には「階段組」があります。
4階のオフィスまでエレベータを使わずに階段でのぼりおりする何人かの人がいて、その人たちが自分たちを「階段組」と称しているわけです。
2階や3階の人たちは、もともと歩いて登る人が多かったのですが、4階の人間はエレベータを利用することが多かったように思います。オーツも、無理せずにエレベータを使うことにしていました。4階ともなると、階段だとちょっと息が切れる感じがします。
しかし、ここのところの節電運動のおかげで、回りに階段組が増えたようです。会議の後など、みんなで4階まで階段で登るわけです。
オーツもそうしてみました。
すると、いろいろ違ったことが見えてきます。
階段の途中で出会う人があるので、誰が階段組で、誰がそうでないかがわかります。その顔ぶれを見ていると、いろいろおもしろいことがあります。(委細は省略しますが。)
先日は、エレベータの箱が1階にあることを知りつつ、階段に向かいました。すると、オーツのすぐ後ろにいた人がエレベータに乗り込みました。
オーツは「まあ、階段だってけっこう早いぞ」と2段ずつがんばって階段を登りました。4階に到着すると、エレベータのドアが開いて、さっきの人が降りてきました。
ん? これって節電になっていないのではないかと思いました。エレベータは、一人が使うのも二人が利用するのも、使用電力量に大差はないはずです。少しだけ疑問に感じました。
まあ、「運動不足を解消しているんだ」と強がりをいいつつ、階段を利用することにします。
オーツは、重い荷物を担いでいるときなど、エレベータを使うようにしています。もしものことがあったら大変ですから。しかし、書類を持っている程度だったら、階段を利用するようにしています。
こういうことで、少しは腹が引っ込んでくれれば、いうことなしなのに、……。