2010年05月28日

NHK放送技術研究所・技研公開 2010

 オーツは、NHK放送技術研究所・技研公開 2010に行ってきました。
http://www.nhk.or.jp/strl/open2010/index.html
 以前にも、行ったことがあります。
2009.5.26 http://o-tsu.seesaa.net/article/120229050.html
2008.5.22 http://o-tsu.seesaa.net/article/97521631.html
 見てみたところをいくつか紹介しましょう。
(1) インテグラル立体テレビ
 メガネをかけなくても、画面を傾けても、3D映像が楽しめるというふれこみでした。しかし、オーツが見た限りでは、あまり立体感がなく、体を傾けて目の位置を変えても、違ったようには見えませんでした。その割には映像が粗く、現状ではまだまだといった感じでした。
(2) スーパーハイビジョン
 昨年も見ましたが、大迫力の大型スクリーンでした。映画館以上でしょうか。
 音声は 22.2 チャンネルということで、からだ全体が音に包まれるような感覚でした。
(3) 日本語から手話CGへの翻訳技術
 手話辞典のようなものを展示していました。実際の人間の動作をモーションキャプチャーで取り込んだとのことで、4,900 語の手話を収録しながら、データ容量は 2GB 程度という話でした。人間の関節の動きが記録されているだけで、画面に表示するときに、キャラクターを生成するので、年齢・性別や服装なども自由に変えられます。カエルの姿も出てきたので、思わず笑ってしまいました。
 将来的には、テレビ画面上で、手話通訳者に変わって、CGの合成画像で手話が表示されるだろうという話でした。
(4) 音声認識を利用した生字幕制作
 放送中の音声が次々と字幕になっていくのはすごいと思いました。もっとも、最終的には人間が修正するようにしているとのことです。固有名詞の表記など、音声だけからではわからないこともありますから、やむを得ないものです。しかし、それにしても、変換効率が高かったです。デモだから特にうまくいくようなものを展示していたのでしょうか。
(5) スーパーハイビジョン音響の家庭再生
 22.2 チャンネルでは、スピーカーをたくさん使うことになり、家庭での再生は無理だということで、4個あるいは9個のスピーカーで 22.2 チャンネルを再現するような研究です。
 前に配置したスピーカー4個を使って、後ろから音が聞こえてくるというふれこみでしたが、実際に聞いてみると、やはり無理があるようで、後ろにもスピーカーを配置した9個のシステムのほうがより臨場感がありました。
(6) 22.2 マルチチャンネル音響制作システム
 ミキシングシステムが展示され、2チャンネルのヘッドホンが置いてありました。ミキシングシステムは、レバーが 12 個ずつ2列あって、22.2 チャンネルというのはこんなにたくさん指示しながらミキシングしていくのだなあと実感しました。
 デモでは、2チャンネルであっても、前後左右それに上から音が聞こえてきて、22.2 チャンネルを2チャンネルで表現できるのだということがわかりました。
 ところが、説明員の話を聞くと、このミキシングシステムの命は、22.2 チャンネルを2チャンネルにするところではなく、もともと 1000 チャンネル以上の音源を組み合わせて 22.2 チャンネルに編集するところに意義があるとのことでした。オーツはそんなところまで気がつきませんでした。24 個のレバーというのは、実は多段切り替えが可能で、大変な量のソースをミキシングしていけるというわけです。説明を聞くまではまったく理解していませんでした。
(7) 電波テレビカメラ
 遮蔽物があっても、その奥にある物体を映し出すことができるカメラです。電波を発射して、跳ね返ってきた電波をとらえるそうですから、レーダーのようなものです。それを動画で示してしまいます。デモでは、スクリーンの向こうにあるマネキンが映っていました。まるでSF映画を見るような感じでした。空港の荷物検査カメラもこんなしくみなのでしょうか。たぶん、「電波」を使っているのではないと思いますが。
(8) 「坂の上の雲」VFX の世界
 VFX でいろいろなことができるというのをデモしていました。一人の俳優の演技を基に、数十人分がうごめきあっているような映像を作り出したり、クルマが走っている現代の映像から、そのクルマなどの画像を消去して、明治時代の建物を貼り込んだりできるのです。できあがりはきわめて自然で、こういう技術を使えば、大規模なセットを使わずに、思い通りのシーンが作り出せます。どんな技術が使われているか、説明員が丁寧に説明してくれました。

 全般に説明員の説明が適確でした。たぶん、現場の研究員なのでしょう。話し方、話の内容からうかがえるところでは、皆さん、優秀な人たちでした。オーツは気分よくあちこち見て回ることができました。
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posted by オーツ at 05:16| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする