オーツが読んだ本です。
オーツの回りには大学教授と名乗る人々がかなりいるので、そういう人がどんな生活をしているのか、ちょっと見てみたいと思って読んでみました。
本書の特徴は、日本の大学教授のマーケットがゆがんでいることをデータで示した点にあります。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどでは、大学教授がどんな立場にいるのか、どうやってその職に付くのかを調べ、それらと比べて日本の場合を述べています。
オーツが感じていた日本の大学(および大学教授)の特徴が本書ではっきり示されています。終身雇用制が貫徹されてることや「教授」の比率が高く、「准教授」以下が少ないことなどです。
各国の調査報告書を参照するとともに、図表を多用して統計的な観点から数値をきちんと示している点も評価できます。
本書で述べられているようなことは、これから大学教授を目指そうとする人(大学院生)にも心得ておいてほしいことです。いや、大学院に入ろうとする前に読んでおくべきものでしょう。
もっとも、本書では、博士課程の大学院生が多すぎることから、博士課程の募集停止を提言しています。やむにやまれぬ気持ちから出た提言だろうと思いますが、若い人に対しては非情に厳しく響くだろうと思います。まあ、それくらい「高学歴ワーキングプア」
2007.11.5 http://o-tsu.seesaa.net/article/64584540.html
が多くなっていることの反映なのでしょうが。
参考記事:
2010.1.16 http://o-tsu.seesaa.net/article/138430987.html