2009年07月09日

喜多充成(2009.3)『あなたにもミエル化?』幻冬舎

 オーツが読んだ本です。「世間のなりたちを工学の視点から」という副題がついています。
 標題がむずかしい感じを与えます。「ミエル化」とは、p.2 によれば、「隠れたムダや気づかなかった障害を、誰もが分かるような図や数字、実物で示し、問題点を明らかにすること」だそうです。
 非常に簡略化していえば、シミュレーション技術のようなものといった感じでしょうか。
 いくつかの課題について、どんなふうに研究していくのか、そのアプローチが書いてあります。「渋滞学」
2009.6.14 http://o-tsu.seesaa.net/article/121449621.html
の話も出てきます。
 しかし、一読して、オーツは内容面に不満を感じました。「誰にでもわかるように」ということを意識して書かれたためでしょうが、どんなふうにシミュレーションをしていくのか、その具体的な方法が書かれていないのです。したがって、どうにも隔靴掻痒の感じになります。具体的な方法論が書いてあると良かったのですが、それはありません。全体に、抽象的な議論で終わってしまいます。
 ある意味では、著者の喜多氏がどこまで深くこれらの問題を理解し、自分のものにしているかを語っているのかもしれません。著者はどちらかというとジャーナリストの系統の人のようなので、研究者が自分の研究について語っているのとはわけが違います。
 ちなみに、この本は構造計画研究所のスタッフに協力を得ているとのことです。オーツは、構造計画研究所のメンバーが「わかりやすさ」を念頭におきながら解説記事を書いたほうが良かったのではないかと思います。

ラベル:喜多充成
posted by オーツ at 04:45| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする