2008年09月21日

007/ゴールデンアイ(1995)

 オーツが見た映画です。
 この映画は、007流の典型例かもしれません。アクションは派手ですが、ストーリーはけっこう「ありえない」の連続です。
 冒頭のつかみ部分では、ダムからバンジージャンプ式に飛び降ります。でも、バンジーのように跳ね上がるのではなくて、そのまま下にある建物に侵入します。ここは合成がバレバレでした。バンジージャンプでは、ゴムが伸びきったところが上に引き上げる力が最大になるところです。これは、人間の体重を支え、その加速度を反転させるのですから、相当に強力です。この力に逆らって、(ゴムを伸ばしながら)下に降りていくのは、かなりの力が必要になります。映画で描かれた小道具では、とてもそんなに力が出せるとは思えません。
 ソ連の兵士たちとの小競り合いの後、飛行機が滑走路を滑走し、そのまま断崖から飛び出して、下に落ちていきます。バイクで飛行機を追いかけたボンドが続いて飛び降ります。そして、落ちていく飛行機に空中で飛び乗るのです。しかし、物理学的にはこんなことはあり得ません。一定の重力が働く場において時間的に前後して自由落下し始めた二つの物体の間の距離は大きくなる一方なのです。ましてや、飛行機にはプロペラが付いていて、自由落下よりも加速して落下するのに対し、後から落ちていくボンドは単なる自由落下(それに空気の抵抗も大きそう)ですから、絶対に飛行機に飛び移れないのです。
 戦車でソ連のどこかの町を疾走するシーンもありえない話です。壁をぶち抜いて戦車が走り回っています。壁がレンガでできていて壊れやすそうですが、実際は、戦車程度の馬力で壁を壊しながら進んでいくのはむずかしいでしょう。壁がコンクリートでできていたり、鉄筋が入っていたりしたら、たとえ戦車でも無事では済まないでしょう。
 途中で戦車のてっぺんにたまたま銅像が乗ってしまうシーンがあります。これもありえませんが、そういう不安定な状態で戦車が町中の道路を急カーブして走ります。そんな場合、銅像は横方向の加速度(遠心力)を受けて戦車から転がり落ちるはずですが、そうはなりません。映画的には(ストーリーとしては)おもしろいですが、物理学(力学)を無視しています。
 映画の最後のほうに出現する巨大アンテナも変です。普段はアンテナが水の中に沈んでいるという設定ですが、こんな大きなものを水中に沈めておく意味があるのでしょうか。他人の目を避けるためでしょうか。これでは、アンテナのメンテナンスも大変だし、使うたびに水中から出すとなると、そのときに時間もエネルギーもかかってしまいます。また、映画では、アンテナの登場シーンで大量の水が排出されるように描かれていましたが、こんなことをすると、次回、アンテナを水中に沈めるときに、同量の水を用意しなければならず、大変なことになります。湖いっぱい分ですから、とてもそんな大量の水は用意できないし、用意しても注水には相当に時間とエネルギーがかかります。まさか、排出した水をどこかにとって置いたわけではありませんよね。そんなことをしたら、ますます大変です。
 これらは、ほんの例ですが、こんなふうに、「考えてみるとありえない」ことが次々と起こるのです。
 映画は、ありえないことを描いていても、おもしろければそれで許されるのでしょうか。
 とはいいつつも、オーツは「ありえない」映画を楽しんでいるのですが……。


posted by オーツ at 05:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする