2008年07月27日

東京交響楽団演奏会「としま未来コンサート」

 オーツは、7月25日(金)に東京芸術劇場大ホールで行われた東京交響楽団演奏会に行ってきました。指揮者は秋山和慶氏です。
 「としま未来コンサート」と銘打ち、としま未来文化財団という財団法人が主催するコンサートでした。
http://www.toshima-mirai.jp/business/art/index.html
http://www.geigeki.jp/event_200807_b_hall.html#14
 オーツの席は、1階の D-17 というところで、前から4列目。ステージのすぐそばでした。ちょうど指揮者の背中の位置です。
 1曲目は、モーツァルトの歌劇「魔笛」序曲でした。
 演奏が始まると、後ろのほうから残響が聞こえてくる感じになりました。オーケストラは、ホール内の位置によって相当に違って聞こえるものですが、それにしても新鮮な経験でした。残響が多いためでしょうか、弦楽器の鋭さがないような感じです。特に、ビオラの音が弱い感じで、それに比べると、バイオリン、チェロ、コントラバスはしっかり聞こえてきます。もしかすると、ビオラがステージの向かって右側に配置されているために、ビオラのf字孔が客席のほうを向いていない(ステージ後方を向いている)ためでしょうか。(元々ビオラは主役にはなれないものですが。)
 2曲目は、ベートーベンの「ピアノ、バイオリンとチェロのための三重協奏曲ハ長調」でした。オーツはこの曲を初めて聞きました。バイオリンは大谷康子氏、チェロは堀了介氏、ピアノは山田剛史氏で、3人のソリストがステージに並ぶのは珍しいと思います。
 三重協奏曲は、三つの楽器とオーケストラの合わせて四者がお互いに会話しながら演奏が進んでいきます。協奏曲は、このあたりの掛け合いが楽しいものです。実際、聞いてみると、バイオリンは実に伸びやかな音で圧倒的な存在感がありました。ピアノもそれなりに大きな音が出ますから、バイオリンに対抗できます。しかし、チェロは、それらに比べると今ひとつの響きです。チェロのソロの部分はいい音を出していますし、オーケストラとの掛け合いのところ(たとえば第2楽章の出だしのところなど)も安心して聞いていられます。しかし、チェロは、バイオリンとピアノと並んで演奏すると、今ひとつ非力です。協奏曲ですから、主旋律がそれぞれによって演奏され、あとの二つが伴奏に回るようなところが何ヵ所もあるのですが、チェロが主旋律を奏でるところは、どうしても聞こえが悪くなり、ちょっと迫力不足になってしまいます。ただし、作曲者のベートーベン自身がそういう事情を知っていたはずで、その上でこのように作曲されたのですから、このようなバランスで(作曲者の想定したとおり)いいのかもしれません。でも、オーツの感覚では、三重協奏曲というアイディアは、三つの楽器のバランスという面から見ると、今ひとつのように思えます。
 バイオリンの大谷康子氏は、東京交響楽団のコンサートマスターを務めていますので、オーツは以前のコンサートでもお顔を拝見していましたが、目の覚めるようなブルーのドレスでステージに立つと、本当に華やかで会場の注目を集めてしまいます。(ダイヤのイヤリングも輝いていました。)
 ピアノの山田剛史氏は、一生懸命演奏するようすはすばらしいのですが、口をぱくぱくさせながら演奏するスタイルなので、前のほうに座っている人間からすると、ちょっと違和感がありました。(まあ、いい音楽を演奏していれば、スタイルは本来どうでもいいのですけれど。)
 第1楽章が終わったところで、ちょっと拍手が起きました。また、第2楽章から第3楽章は続けて演奏されました。
 20分の休憩をはさんで、3曲目はブラームスの交響曲第2番ニ長調でした。大編成のオーケストラによる熱のこもった演奏でした。
 見ていると、第1バイオリンの人たちの体がすごく動いています。感情の表現とでもいうのでしょうか。自然であり、嫌味がありません。そこで、こういっては失礼に響くかもしれませんが、指揮者が指揮する姿を(その背中を)見ているよりも、第1バイオリンの動きを見ているほうがはるかにおもしろいのです。
 オーツの個人的感覚ですが、指揮者の秋山氏は、タイミングの示し方が今ひとつのように思います。指揮棒の動きを見ていても、どこで演奏を始めていいのか、どこで止めるべきか、よくわかりません。第4楽章のフィナーレの部分などはよくわかりますが、まあ、ここは誰がやってもわかるようなところです。ちょっと注意してオーケストラを見ていると、メンバーの多くは指揮者を見ていません。指揮者の仕事は指揮棒を振ることが中心ではなく、ステージに上がる前の練習のときに、各パートに細かく指示を出してオーケストラ全体としてどのように演奏していけばいいのかという、指揮者の解釈を示すことにありますから、こんなことを気にしていてもしかたがないのかとは思いますが、それにしても気になります。
 演奏後の拍手の中で、指揮者がホルン、クラリネット、ファゴットなどを個別に立たせて褒め称えていました。確かに管楽器の響きもよかったです。でも大編成の弦楽器も聴き応えがあります。
 コンサートの終わりをブラームスで締めるのはいいものです。オーケストラの響きを堪能することができます。
 オーツは、全体として満足して帰途につきました。S席が 4,500 円というのもお得な感じです。

 ふと気が付くと、東京交響楽団のコンサートマスターの高木和弘氏のブログがあり、今回のコンサートについて語っていました。
http://unreveyume.blog72.fc2.com/blog-entry-295.html
posted by オーツ at 04:43| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする