2008年02月17日

東京交響楽団コンサート(東京オペラシティシリーズ第42回)

 オーツが聴きに行ったコンサートです。2月16日に行われました。
 18:00 開演予定だったので、17:40 ころに会場に入りました。すると、17:45 ころから指揮者の飯森範親氏がマイクを持ってステージに現れ、今日のコンサートの曲目の解説を始めました。なぜ、ベートーベンの交響曲の第1番と第2番を選んだかということでした。まあ、あまり理由はないのですが、……。
 第1番については、1800 年、ベートーベンが30歳の時に作曲したもので、ベートーベンは交響曲作家としては遅咲きであることや、この曲にはハイドンの影響があることなどを語っていました。
 第2番は、第9番に似ている面があり、第1番と対比して聞くのもおもしろいといったような内容でした。
 さらに、今回は、ノン・ビブラートのピリオド奏法で演奏することや、ステージ上の楽器の配置が通常と違っていることなどを説明しました。観客席から向かって左側に第1バイオリン、右側に第2バイオリンを配置し、第1バイオリンの隣がチェロで、その後ろにコントラバスが位置するので、ステージ後方にコントラバスが並ぶ形になります。ビオラは第2バイオリンとチェロの間に入ります。右手奥にはバロック・ティンパニが配置されていました。なるほど、あまり見かけない配置です。
 ベートーベンの二つの交響曲の間に、ストラビンスキーのバイオリン協奏曲が入っていました。ストラビンスキーの作風はいろいろ変遷しており、1931 年作曲のバイオリン協奏曲は、新古典主義にあたるものなので、ベートーベンと対比して聞くといいというような話でした。
 飯森氏の解説は 17:58 まで行われましたが、まったく何も見ないで、細かい地名や年代などを入れて話していました。さすがプロですね。こういう開演前の解説はオーツはほとんど聞いたことがないので、驚くとともに、飯森氏に親しみがわきました。
 さて、演奏ですが、飯森氏の指揮はメリハリがきいたもので、とてもよくまとまっていたと思います。オーツは前のほうの席でしたから、飯森氏の息をする音まで聞こえてきて、迫力がありました。
 オーケストラも、みんなが一体となった、熱のこもった演奏でした。コンサートマスターの高木和弘氏は、演奏に集中して飛び上がらんばかりに体を動かしていました。第1バイオリンは、コンサートマスターを含めて前のほうの4人が男性でしたが、それぞれの方の熱心さがビンビンと伝わってくる感じでした。それに比べると、第1バイオリンでも、後ろのほうで演奏している女性は、そういうジェスチャーが少なく、何となくつまらなそうに弾いているように見えました。(そんなことはないはずなんですけれど。)
 第2バイオリンでは、赤いバイオリンを弾いている人もいて、目を引きました。
 さて、第1交響曲が終わって、ストラビンスキーのバイオリン協奏曲になります。少し、楽器の入れ替えがありましたが、金管楽器(チューバなど)が右手の第2バイオリンの奥に座ったのも珍しい配置だと思いました。
 今日のソリストは、庄司紗矢香さんでした。ステージに出て来たのを見て驚きました。若いのです! プログラムによれば「1999年 第46回パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールに史上最年少、かつ日本人として初めて優勝。」ということです。すごい人です。
 ストラビンスキーを選んだのは庄司さんの希望のようでしたが、弾き始めたときに、その理由がわかりました。この曲は、大変な技巧を要する難曲だったのです。フラジオレットというんでしょうか、ものすごく高い音を出しますし、一方では低い音も出すので音域が広いし、ものすごい早さで指が移動するし、弦を押さえる左手の指は極端な位置まで動くし、重音(二つの音を同時に出す)の連続でメロディーを奏でたりするし、いやはや、普通では考えられないテクニックです。パガニーニも真っ青といったところでしょうか。庄司さんはその難曲を見事に弾いてしまいます。「どんなもんだい」とまるで誇るかのごとく、弾ききってしまう、その演奏ぶりには思わず見とれてしまいました。そして、もちろん音もいいのです。1台のバイオリンでもオーケストラに負けない存在感があります。
 協奏曲の演奏終了後には、オーケストラの人たちも庄司さんに拍手をしていましたが、それはそうでしょう。こんなに若い人がこんな才能を見せるとは驚きです。将来が大いに期待される逸材です。
 大拍手で何回かステージに呼び出されたあと、アンコールで小品の演奏がありました。1台のバイオリンでこんなにも伸びやかな音が出るのでしょうか。オーケストラと一緒のときは、オーケストラの音に混じってしまったわけですが、ソロだと、バイオリンの音だけになるわけです。澄み切った音は、演奏家の腕とともに楽器自体がすばらしいのだろうと思わせます。あとでプログラムを見ると、「使用楽器は、日本音楽財団より貸与された 1715 年製ストラディヴァリウス "Joachim"。」と書いてありました。あ、なるほど、名器だったんですね。
 そんなわけで、オーツは一晩のコンサートを堪能しました。おいしい料理をたっぷり食べたような感じでした。

 なお、プログラムでは、ヴァイオリン、ストラヴィンスキー、ベートーヴェンなどと表記されていました。オーツは(日本語として)「V」音は不要だと考えているのですが、
2008.2.13 http://o-tsu.seesaa.net/article/83790436.html
クラシック業界では、今や「V」音を表記する方が普通になってしまったんですかね。
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posted by オーツ at 05:58| Comment(0) | TrackBack(1) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする