2007年12月11日

元社員が東芝提訴へ

 オーツが日経新聞12月7日夕刊22面で見かけた記事です。ネットでは、ごく一部がアップロードされています。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2007120703401b1
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071207AT1G0701A07122007.html
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071207AT1G0701A07122007.html
「ワープロ技術、元社員が東芝提訴へ・特許対価2億6000万円求める
 日本語ワープロで使われる「仮名漢字変換方式」などの技術を発明した東芝の元社員が特許譲渡の対価として、同社に約2億6000万円の支払いを求めて東京地裁に提訴することが7日、分かった。元社員は1970年代に技術を発明し、現在も日本語ワープロソフトの基礎として広く使われているという。
 提訴するのは東芝の元社員、天野真家・湘南工科大学教授(59)。」
 青色ダイオードの発明で中村修二氏が日亜化学を訴えた事件と瓜二つです。
 日本社会は、研究員の給料が安いですから
2007.12.10 http://o-tsu.seesaa.net/article/71968764.html
こんな訴えを通して、研究者の発明の対価を求めるような工夫をしていかなければ、研究者が報われないという面があるのはうなずけます。
 しかし、今回の提訴でむずかしいのは、カナ漢字変換技術の特許だということです。カナ漢字変換技術は、さまざまな技術の複合体としてできあがったものです。今回の特許にしても、4人の連名で出願されたということですが、その実用化を巡っては、4人以外の人がさまざま貢献しているわけです。また、実用的なカナ漢字変換技術においては、4人の特許だけでなく、それ以外の(有償・無償の)さまざまな技術が組み合わされているわけで、そういう発明に対して、東芝の利益をどう算出するか、また、その中での天野氏の貢献分をどう考えるかということになると、きわめて難しい問題になると思われます。
 新聞記事によると、東芝は、2年分の報奨金として23万円を払ったようです。この金額は安すぎるようにも思えます。しかし、規定がこうなっていれば、やむをえないのかもしれません。そういう規定が無効だというのが提訴の趣旨でしょうが、では規定を変更して高額の報奨金を出すようにすればいいのでしょうか。
 たとえば、報奨金の金額を100倍にしようということになると、いよいよ金額の算出の問題が大きくなって、会社の内部で侃々諤々の議論がわき起こるでしょうし、研究所の中がぎすぎすした雰囲気になり、研究環境が悪化する懸念もあるわけです。
 どうしたらいいか、どうあるべきか、誰がどう判定するのか、なかなか悩ましい問題といえそうです。
 身近な話題であるだけに、この訴訟の行方には興味と関心を持っておきたいと思います。
posted by オーツ at 04:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース時評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする