オーツが秋山郷に行ったときに経験したクルマのブレーキの話です。
オーツは今まで15年ほどクルマに乗っていますが、初めて経験しました。
秋山郷のとある集落の中で道に迷いました。で、細くて急な坂道を下りかけたとき、それが民家に入っていく道であることに気づいたわけです。バックしようにも、細い急な坂道を上がる形になるので、アクセルを踏む調整がかなりむずかしく、どうしようもなくなりました。そこで、坂道の途中でクルマを止め、車外に出てあちこちを確認しました。その結果、同乗者には全員に降りてもらい、一度坂を下って民家の庭先をお借りして方向転換しようと思いました。
そのとき、オーツはエンジンを切っていたんですが、そのことをうっかり忘れて、ギアを「D」(ドライブ)に入れ、パーキングブレーキをはずしたのです。クルマが走り始めたのですが、ブレーキが効きません。エンジンによるパワーアシストがないのですから当然ブレーキが重くなります。しかし、そのときは、そんなことに思い至りませんから、なぜブレーキが効かないのかわからず、パニックになり、思いっきりブレーキを踏みつけました。かろうじて民家にはぶつからずにクルマが止まりました。この間、ほんの数秒でしたが、こんなにあわてたことは今までなかったです。
ホッとして、クルマのようすを見ると、エンジンがかかっていません。クルマが走り始めたのは、クリープ現象ではなく、坂道のためだったんですね。ここで今までのことが全部了解できました。
そのとき、オーツの心臓の鼓動がとても大きくなっていることに気が付きました。
後から考えれば、通常ブレーキが効かなければ、パーキングブレーキをかける手もありました。
冷静になれば、どうってことないことなのですが、事件の最中は、やっぱりパニックになってしまいます。
いい経験でした。
帰宅後、オーツのクルマで試してみると、ギアが「P」に入っている状態で、エンジンが切ってあると、「D」にシフトできないようになっています。ギアが「R」に入っている状態ならば、エンジンが切ってあっても「D」にシフトできます。ということは、オーツはギアを「R」に入れたままエンジンを切ったのでしょうか。15年の経験上、そんなことはしないと思うのですが……。